エマロを使っての腹腔鏡手術

先日、エマロという、腹腔鏡を人間の代わりに持ってくれる器具を業者さんのご厚意により使用させてこらうことができました。
普通は腹腔鏡の手術では外科医がカメラ(腹腔鏡)を持ち術野をテレビモニターに写します。とりわけ若い先生の最初の仕事の一つがこのカメラ持ちです。
術者の意としないところを映し出すと、容赦ない罵声が飛んできます。私も昔、カメラ持ちをしている時はよく怒られました。
どんな手術をして、術者がどうしたいか理解していないから、ピントの外れたところを写すんよと指導されたものです。
時々、私が術者となり、その指導医の先生がカメラを持ってくれることもありました。若かりし私の拙い手術もいけなかったのでしょうが、
久々にカメラ持ちをしたその指導医の先生が”おい、もっと近づけ、よー見えんじゃろ。危ないけえ、もっとよく見せろっちゃ”と興奮して言われました。
いや、カメラをお持ちなのは(指導医の)先生なんですが・・。もっと近づいて下さい・・

エマロはただのカメラ保持ではなく、フットスイッチと頭の動きで上下左右、近づいたり、遠のいたり、うまく動かせれば自在に動かすことが出来ます。
しかし慣れないと、なかなか自由自在には動かせませんね。また機械がごつく、もう少しスマートにならんかなと思います。
ただ、外科医一人分の働きを文句も言わずにするのですからかなり将来性を持った器具であることは間違いありません。動かすのは自分ですし、いい術野が確保できなのを他人のせいには出来ませんし。

しかしこの機械は外科医の仕事を1つ奪うことになります。私の好きなアニメに”母を訪ねて3千里”があるのですが、それに瓶洗い職人のジロッティさんという人物が登場します。
主人公のマルコ少年はここで瓶洗いのアルバイトをするのです。ある日、雇用主のジロッティさんが、不機嫌に戻ってきます。
”マルコ、この会社はもう終わりだ。瓶洗いの仕事はひとつもないんだ。機械だよ、機械。あいつらがわしらの仕事を全て奪ってしまったんじゃ”と。
そう、時は19世紀末のイタリア、ジェノバ。ここにも産業革命の波が押し寄せ、生活に機械がどんどん入り込んでいたのです。

不機嫌そうなジロッティさん。彼の職人技も産業革命の波に飲み込まれることに

このエマロもいまでこそ、まだ高価ですし、使い勝手は満足いくものでないかもしれません。
しかしエマロをはじめ、手術器具の進化は確実に外科医の仕事、外科医それ自体を減らしていきそうです。

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