内視鏡切除後の外科的追加切除

健診で便潜血陽性を指摘された60代、男性の患者さん。

盲腸という大腸の一部(虫垂がぶら下がっている部位)に腫瘍を認めました。

最初は内視鏡下切除を試みました。病理検査(顕微鏡検査)では大腸癌と診断されました。大腸の壁は顕微鏡で拡大してみると5層に分類できます(粘膜層、粘膜下層、筋層、しょう膜下層、しょう膜)。癌は粘膜層から発生し、進行すればするほど、深く浸潤していきます。この患者さんの大腸癌は2番目の層の粘膜下層まで浸潤がありました。粘膜下層までの浸潤癌は早期癌と定義されます。また断端まで癌の浸潤もなく病理学的にはきれいに切除されていました。一見、治療完了と思われるかもしれません、しかし粘膜下層癌は10%前後のリンパ節転移があります。リンパ節は手術でなければ切除できません。

粘膜下層癌でも次の条件をみたすものはリンパ節転移はおこらないことがわかってきました。

粘膜下層へ入っている距離が1000ミクロン以下

脈管(静脈、リンパ管)内に癌細胞が入っていない

この患者さんは上2ついずれも、陽性でした(つまり1000ミクロン以上浸潤があり、リンパ管内に癌の浸潤ありでした)。

つまりリンパ節転移の可能性が否定できないので外科的追加切除の適応になります。

患者さんには、手術で切除しても切除標本内に癌の遺残のないことや、リンパ節転移のないことが多いこと、ただし経過観察をしてリンパ節再発を来した場合は治療が難しくなる可能性があることを説明しました。

手術を了承されたので腹腔鏡を補助的に用いた切除術を行いました。

切除標本内には癌の遺残もなく、リンパ節転移もありませんでした。術後は幸い合併症もなく経過し軽快退院されました。

最終的にはステージIですので再発のリスクも少ないと思われます。

残念ながら手術にまで至りましたが、早期癌であり根治した可能性の高い症例でした(治療経過についてのブログ掲載に関しては患者さんの了承を得ています)。

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